設計部 佐々木です。
今日は弊社で使用している
換気システムについてご紹介します。
そもそも、
住宅の24時間換気というのは、
2003年に建築基準法で義務付けられた、
住宅の居室を2時間に1回換気する。
といった法律に基づいて設置されております。
法律で義務付けられていなかったとしても
高気密高断熱住宅を
建てている弊社では
建物の換気は非常に重要な
性能の一つになります。
24時間換気の中には
大きく分けると3種類あります。
第一種換気(機械給気、機械排気)
第二種換気(機械給気、自然排気)
第三種換気(自然給気、機械排気)
一種換気の中にも
熱交換型と、熱交換をしない
方式があります。
更に熱交換型の換気の中にも
顕熱式のみの換気と
潜熱を含めた全熱式の
換気があります。
簡単に申しますと、
顕熱とは、温度で湿度の影響を受けない熱
全熱とは、温度と湿度の両方のこと。
弊社リベストでは、
全熱式の熱交換換気システムを
使用しております。
まず、顕熱についてですが、
熱交換型の換気は
外気が33度の時に、室内に約27.4度の
空気を給気します。
熱交換のついていない換気では、
33度の空気がダイレクトに
室内に給気されます。
その差は5.6度で、
2時間に1回の空気の入れ替わりがある
換気量ですので、熱交換型の換気システムは
冷房負荷を減らす事が出来ます。
次に、潜熱ですが、
外気33度85%の空気が屋内に27.4度74%で
給気されます。
たった11%の低減か!
と思われるのですが、
1立米あたりの水分量で比較すると、
33度85% 30.3g/立米
27.4度74% 19.8g/立米
となり、
約34%の湿気を低減している
ことになります。
例えば同じ室温25度でも
50%の室内と、70%の室内では
快適性が全然違いますよね!
全熱式の熱交換換気は
快適な温湿度環境を作りやすい。
といったメリットがあります
しかも、電気代もお得です
後ほど説明します。
夏だけでなく冬場も
威力を発揮します。
顕熱のみの熱交換換気では、
室内で調理した水蒸気や、
室内で物干しした水分を
全て外部に排出しているのに、
加湿器によって屋内を加湿する。
これって凄く無駄ですよね!
全熱式の熱交換換気であれば、
外部に排出する水分も抑えることが
出来るため、
加湿器を使用することが
ほぼありません。
冬場に屋内に物干しをすれば
湿度40~45%は保つ事が出来ます。
大切な電気代を計算してみます。
条件は同じ性能(UA値0.25)で127㎡(約38坪)の
建物で換気方式を変えて
一次消費エネルギーと電気代を
1年間でシュミレーションしてみます。
冷暖房方式は全館連続運転です。
電気代は1MJ=3.07円として計算
第三種換気(自然給気、機械排気)
暖房時 一次消費エネルギー 32,935MJ
冷房時 一次消費エネルギー 1,908MJ
換気 一次消費エネルギー 1,093MJ
合計 35,936MJ
電気代にすると、
110,323円(1年の冷暖房+換気)
第一種換気(熱交換無し)
暖房時 一次消費エネルギー 32,935MJ
冷房時 一次消費エネルギー 1,908MJ
換気 一次消費エネルギー 4,192MJ
合計 39,035MJ
電気代にすると、
119,837円(1年の冷暖房+換気)
第一種換気(熱交換有り)
暖房時 一次消費エネルギー 26,071MJ
冷房時 一次消費エネルギー 1,908MJ
換気 一次消費エネルギー 4,192MJ
合計 32,171MJ
電気代にすると
98,764円(1年の冷暖房+換気)
となります。
まず、一種換気との比較ですが、
一種換気は換気のエネルギーは少ないのですが、
熱交換が付いていない為、
暖房負荷が大きく、
全体でも約11万円の冷暖房+換気となります。
次に一種の熱交換無しは
換気のエネルギーも大きく、暖房負荷も
大きい為、約12万円と一番高くなります。
最後に一種換気の熱交換有りは、
暖房時のエネルギー消費が少なくなり、
換気でエネルギーが掛かったとしても
十分に他の換気方法より
一次消費エネルギーを減らすことが
できます。
更に全熱式を
シュミレーションしてみたいのですが、
エネルギー消費性能計算プログラムや、QPEXの
シュミレーションソフトでは
そこまでの機能はありません。
しかし
理論上は下がります。
(^^)/
つまり、
一種換気の全熱交換型というのは、
外気の温度、湿度の影響を受けにくく、
新鮮な空気を導入でき、
冷暖房負荷も低減できるといった
夢のような換気システムなのです。
従ってリベストでは
一種換気の全熱式としております。
なかなか詳しく説明する機会がなかったので、
ブログにてご紹介させていただきました。
以上、最後までお読み頂き
ありがとうございました。
m(__)m